制度ガイド

川崎市の緊急通報システム|自宅設置型と携帯型GPS

川崎市の高齢者等緊急通報システムは自宅設置型と携帯型があり、居場所をGPSで確認できるのは携帯型のみです。利用料は所得に応じ月額0円から、携帯型は上限2,070円、自宅設置型は付加サービス込みで上限4,580円と型で異なります。

公開日
2026-07-11
最終更新日
2026-07-11
情報確認日
2026-07-11
出典
6件の一次情報・公的情報

川崎市の高齢者等緊急通報システムは自宅設置型と携帯型があり、居場所をGPSで確認できるのは携帯型のみです。利用料は所得に応じ月額0円から、携帯型は上限2,070円、自宅設置型は付加サービス込みで上限4,580円と型で異なります。

制度の入口

自宅設置型と携帯型という2つの選択肢

川崎市の「高齢者等緊急通報システム事業」は、ひとり暮らしの高齢者などが急病や転倒で動けなくなったときに、ボタン一つでコールセンターにつながる仕組みです。用意されているのは自宅内でのみ使える自宅設置型と、外出先にも持ち出せる携帯型の2種類で、この2つは同時に利用することはできず、どちらか一方を選んで申し込みます。自宅設置型は緊急ペンダント(または本体の押しボタン)が基本形で、希望すれば火災センサー・ガス漏れセンサー・生活リズムセンサーなどを追加できます。携帯型は専用端末を持ち歩く形式で、GPSによる位置情報検索機能と健康相談サービスが標準で付いています。

どちらの型も24時間365日体制で通報を受け付けており、ボタンを押すと受信センターにつながり、状況に応じて救急要請や親族への連絡が行われます。この「まず何を選ぶか」という入口の判断が、以降のすべての手続きの土台になります。

このような制度が作られた背景には、ひとり暮らしの高齢者が自宅で倒れても発見が遅れ、対応が手遅れになってしまうという事態を防ぎたいという行政側の狙いがあります。家族が毎日様子を見に行けない場合でも、本人が自分の意思でボタンを押せる状態にしておくことで、発見の遅れを大きく減らせます。もっとも、認知症の症状が進み自分でボタンを押す判断が難しくなっている場合は、この制度だけでは十分な備えにならないこともあるため、本人の判断力の状態も選択の材料になります。

この記事が扱う範囲

似た名前の制度に「認知症等行方不明SOSネットワーク」がありますが、これは認知症の親が行方不明になったときに地域全体で早期発見につなげる仕組みで、この記事が扱う緊急通報システムとは目的が異なります。認知症による行方不明への備え、事前登録の方法、警察への届け出の仕方は認知症の行方不明に備えるガイドにまとめているので、そちらを参照してください。この記事では、急病・転倒・体調急変への備えとしての緊急通報システムに絞って、自宅設置型と携帯型の違い、申請の流れ、費用の仕組みを扱います。

対象要件の確認

自宅設置型の対象要件

自宅設置型の対象は、65歳以上で心臓疾患・高血圧等の慢性疾患等により日常生活に常時の注意を要する状態にあり、かつひとり暮らし、または同居者がいても重度の要介護状態にあるため実質的にひとり暮らしに近い高齢者です。加えて、75歳以上でひとり暮らしの高齢者も対象に含まれます。「慢性疾患があるかどうか」と「一人で日常生活を送っているかどうか」の組み合わせで判断されるため、持病の内容によっては要介護認定を受けていなくても対象になり得ます。

携帯型の対象要件

携帯型の対象は、自宅設置型と同じ慢性疾患等の要件に加え、同居者が日中は仕事などで不在にしている場合や、同居者が要介護状態にある場合も含まれます。また75歳以上のひとり暮らし高齢者に加え、認知症等により行方不明となり生命に危険が及ぶ可能性がある65歳以上の方、または若年性認知症で要介護1から5の認定を受けている方も対象です。つまり携帯型は、自宅設置型より対象の幅が広く、外出先での見守りやGPSによる位置確認を必要とする状況を想定して設計されています。

地域包括支援センターによる訪問調査

いずれの型も、申し込み後に地域包括支援センターの職員による訪問調査が行われ、実際の生活状況・持病の有無・同居者の状況などが確認されます。この調査を経て対象要件を満たすと判断されて初めて、正式な利用開始となります。要件に当てはまるか自分では判断しづらい場合も、まずは地域包括支援センターに相談すれば、状況を伝えたうえで対象になりそうかを確認してもらえます。

訪問調査では、実際に本人が生活している部屋の様子や、ボタン・ペンダントに手が届く位置関係、日中どのくらいの時間を一人で過ごしているかといった具体的な生活実態が確認されます。書類上の要件を満たしていても、生活の実態と食い違いがあると調査の際に確認が入ることがあるため、日頃の生活状況をありのまま伝えることが大切です。持病の内容によっては、かかりつけ医の意見や診断書の提示を求められる場合もあるため、通院時に主治医へ相談しておくと調査当日の説明がしやすくなります。

手続きの実務

申請窓口と必要な準備

申請は、担当地区の地域包括支援センターまたは区役所の高齢・障害課で受け付けています。オンライン手続「e-KAWASAKI」からも新規利用申請ができ、自宅設置型・携帯型それぞれ専用の手続きページが用意されています。窓口で相談する際は、持病の内容が分かるもの(お薬手帳や診断内容のメモ)や、日中・夜間の同居状況を説明できる材料を持参すると話がスムーズです。相談から訪問調査、利用開始までは一定の期間を要するため、体調に不安が出てから急いで申し込むのではなく、余裕を持って動き出すのが安心です。

機種選択のポイント

自宅設置型を選ぶ場合、緊急ペンダントのみのシンプルな構成にするか、火災センサー・ガス漏れセンサー・生活リズムセンサーなどを付加サービスとして加えるかを選べます。持病による急な体調悪化が主な心配であればペンダントのみで十分な場合が多く、火の元の消し忘れや台所での事故が心配な場合はセンサー類の追加を検討する価値があります。携帯型は外出先での見守りが目的なので、日常的に一人で外出する頻度が高い方に向いています。反対に、ほとんど自宅で過ごす方であれば自宅設置型で足りることも多く、生活パターンに合わせて選ぶのが基本です。

利用料は所得区分ごとに決まる

利用料は所得に応じた区分で決まり、生活保護受給世帯は無料です。それ以外は、住民税の課税状況に応じて数段階に分かれ、型と付加サービスの有無によって金額が変わります。次の比較表で、混同しやすい携帯型と自宅設置型の上限額の違いを整理します。

利用料は月々の口座振替またはコンビニ払い等で納めるのが一般的で、途中で世帯の課税状況が変わった場合は区分が見直されることがあります。年に一度の課税状況の確認時期に合わせて金額の通知が来ることが多いため、通知が届いたら区分に変更がないかを確認しておくと、思わぬ請求額の違いに戸惑わずに済みます。介護保険サービス全体の費用感を先につかんでおきたい場合は高齢者介護の費用ガイドも参考になります。

使い始めてから

駆けつけ対応の仕組みと限界

ボタンを押すとまず受信センターにつながり、状況に応じて救急要請や、あらかじめ登録した家族・近隣の協力者への連絡が行われます。「ボタンを押せば必ず警備員のような担当者がすぐ駆けつける」というイメージを持たれがちですが、この公的な緊急通報システムは、駆けつけ専門の要員を常時配置する民間の警備会社型サービスとは仕組みが異なり、対応の中心は救急要請と関係者への連絡です。実際にどこまでの対応があるかは、申請時に窓口で必ず確認しておくと安心です。

利用開始後は、定期的な作動確認や電池・端末の点検が行われることがあります。連絡先の電話番号や住所に変更があった場合は、そのままにせず速やかに窓口へ届け出ておく必要があります。特に、緊急連絡先として登録していた親族の連絡先が変わった、担当のケアマネジャーが交代した、といった変化は、実際に通報が入った際の対応の速さに直結するため、後回しにしないことが大切です。端末の不具合や故障に気づいたときも、様子を見ずにすぐ窓口へ連絡し、代替機の手配などを相談してください。

民間の緊急通報サービスとの違い

民間の警備会社も高齢者向けの緊急通報サービスを提供しています。例えばセコムの「みまもりホン2」はGPS機能付きで月額2,750円(税込)、緊急時に警備員が駆けつける現場急行サービスは1回あたり11,000円(税込)という料金体系で、セコム・ホームセキュリティの契約者は自宅への駆けつけに限り無料になります。川崎市の公的な携帯型(上限月額2,070円)と比べると、公的制度の方が月額は抑えられている一方、民間サービスは警備員による駆けつけを前提とした体制を持つ点が異なります。どちらが優れているというより、費用を抑えたいのか、駆けつけまで含めた体制を重視したいのかで選び方が変わるため、両方の仕組みを理解したうえで比較するのが実務的です。見守り機器全体の方式ごとの特徴は高齢者見守りサービスの比較ガイドでも整理しています。

終了した制度とGPSの現在地

以前は「徘徊高齢者発見システム」という別の制度もありましたが、令和6年3月31日をもって事業が終了しており、現在GPSで居場所を確認したい場合は携帯型の緊急通報システムがその役割を引き継いでいます。認知症による行方不明が心配な場合は、この携帯型のGPS機能に加えて、地域全体で早期発見につなげる認知症等行方不明SOSネットワークへの事前登録を組み合わせておくと、備えに厚みが出ます。

海外・遠距離から

緊急連絡先に海外の番号を登録できるか

申請時には、本人に何かあった際に連絡する緊急連絡先を複数登録することになりますが、海外の電話番号だけを主な連絡先として登録できるかどうかは、実際には窓口での個別確認が必要です。国際電話がつながりにくい時間帯や、時差で家族がすぐに応答できない事態が想定されるため、海外在住の家族の番号は登録しつつも、国内に住む親族や近隣の協力者など、すぐに動ける連絡先を並行して用意しておくことが実務上重要です。海外から日本の親を支える方法でも触れているとおり、緊急時の一次対応は国内側が担い、海外側は状況把握と判断のサポートに回る、という役割分担が現実的です。

国内の代理連絡先の立て方

国内に頼れる親族がいない、または近くに住んでいない場合は、担当の地域包括支援センターに相談し、緊急時にまず誰に連絡が入る仕組みになっているかを確認しておきましょう。近隣住民や民生委員との顔つなぎができていると、いざというときの初動が早まります。遠距離介護における連絡網の作り方は遠距離介護の進め方にも整理しており、緊急通報システムの連絡先設計とあわせて検討すると、備えの抜けが減ります。

同居のきょうだいがいない一人っ子の場合や、国内のきょうだい全員が遠方に住んでいる場合は、近隣住民との日常的な付き合いが実質的な代理連絡先になることも少なくありません。町内会や自治会の集まりに顔を出しておく、隣近所に「何かあったら連絡してほしい」と一言伝えておくといった小さな積み重ねが、緊急通報が鳴った際の初動の速さにつながります。ケアマネジャーがついている場合は、ケアマネジャーにも緊急連絡先の一員として認識してもらっておくと、家族が国内にいない時間帯の対応がスムーズになります。

一時帰国時にできる手続き

一時帰国の機会があれば、その滞在中に地域包括支援センターまたは区役所高齢・障害課を訪ね、申請の相談や訪問調査の日程調整を進めておくと、限られた滞在日数を有効に使えます。すでに利用中の場合も、緊急連絡先の登録内容や優先順位を、里帰りのたびに見直しておくと、家族構成や連絡手段の変化に対応しやすくなります。

滞在期間が短い場合は、訪問調査の日程が合わず一度の帰国では手続きが完結しないこともあります。その場合は、電話やオンライン申請「e-KAWASAKI」で事前に相談を進めておき、訪問調査だけを一時帰国のタイミングに合わせる、といった段取りも可能です。窓口に相談する際は、自分が海外在住であることと、次にいつ一時帰国できるかを最初に伝えておくと、調整がしやすくなります。制度の対象要件・利用料・申請窓口は改定されることがあるため、最新の内容は必ず川崎市公式サイトまたは窓口で確認してください。

比較表

迷いやすい点を中心に、違いを一覧にします。

所得区分携帯型(GPS付き)自宅設置型(ペンダントのみ)自宅設置型(付加サービス込み)
生活保護受給世帯0円0円0円
生計困難など減免対象115円210円255円
市町村民税非課税世帯230円420円510円
本人が市町村民税非課税575円1,020円1,270円
市町村民税課税世帯2,070円3,670円4,580円

よくある質問

要介護認定を受けていない母でも、心臓病があり一人暮らしなら申し込めますか

要介護認定を受けていなくても、65歳以上で心臓疾患などの慢性疾患等により日常生活に常時の注意を要し、ひとり暮らしであれば対象になり得ます。実際に対象に当てはまるかは、地域包括支援センターの訪問調査で確認されるため、まずは相談することをおすすめします。

父はGPSで居場所を確認できる方式を希望していますが、自宅設置型でもGPSは使えますか

いいえ。GPSによる位置情報検索機能が付いているのは携帯型のみで、自宅設置型にはGPS機能がありません。外出先での居場所確認を重視する場合は、携帯型を選ぶ必要があります。

父と同居する兄が日中仕事でほとんど家にいない場合も、携帯型の対象になりますか

なり得ます。携帯型は、同居者が日中不在にしている場合も対象に含まれており、実質的にひとり暮らしに近い時間帯があることが考慮されます。詳しい該当判断は訪問調査で確認されます。

私は海外に住んでいて、緊急連絡先として自分の海外の電話番号だけを登録したいのですが可能ですか

海外の番号を緊急連絡先として登録できるかどうかは窓口での個別確認が必要です。時差や国際電話のつながりにくさを考えると、海外の番号に加えて、国内で迅速に対応できる親族や協力者の連絡先も並行して用意しておくことをおすすめします。

民間の見守りサービスと比べて、川崎市の緊急通報システムの方がいつでも安いのでしょうか

月額料金だけを比べると公的な携帯型(上限2,070円)の方が抑えられている場合が多いですが、民間サービスは警備員による駆けつけ体制を前提としている点が異なります。費用だけでなく、駆けつけ対応の有無や体制まで含めて比較することが実務的です。

自宅設置型にセンサー類を追加すると、月額はどのくらい高くなりますか

所得区分によって差はありますが、例えば市町村民税課税世帯の場合、自宅設置型のペンダントのみでは月額3,670円、火災センサーなどの付加サービスを加えると月額4,580円になります。追加する機能に応じて上限額が変わる仕組みです。

認知症で行方不明歴のある父が要介護認定を受けていない場合、携帯型の対象になりますか

認知症等により行方不明となり生命に危険が及ぶ可能性がある65歳以上の方は、携帯型の対象に含まれています。要介護認定の有無だけで判断されるものではないため、まずは地域包括支援センターに状況を伝えて相談してください。

一次情報・公的情報

本文は一次情報・公的情報を優先して確認しています。制度、費用、窓口の扱いは自治体や時期で変わるため、最終判断の前にリンク先の公式情報も確認してください。 最終確認日: 2026-07-11.

この記事について

この記事は一般的な情報の整理であり、医療・法律・介護の個別アドバイスではありません。制度の運用、費用、サービスの有無は自治体や状況によって異なるため、具体的な判断は関係機関や資格を持つ専門職にご確認ください。記事の作成・出典・修正の方針は編集方針をご覧ください。

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