制度ガイド

ショートステイの費用と使い方|料金表と30日ルール

ショートステイは1泊1割負担で1,000円前後に食費・部屋代が加わり、連続利用は30日までです。生活介護と療養介護の違い、要介護度別の料金表、予約が混む時期、海外在住の家族が一時帰国の谷間を埋める使い方まで実務目線で整理しました。

公開日
2026-07-03
最終更新日
2026-07-03
情報確認日
2026-07-03
出典
8件の一次情報・公的情報

ショートステイは1泊1割負担で1,000円前後に食費・部屋代が加わり、連続利用は30日までです。生活介護と療養介護の違い、要介護度別の料金表、予約が混む時期、海外在住の家族が一時帰国の谷間を埋める使い方まで実務目線で整理しました。

制度の基本

ショートステイという仕組みの位置づけ

ショートステイ(短期入所)は、要介護・要支援の認定を受けた人が、数日から数週間だけ介護施設に宿泊してケアを受ける介護保険サービスです。入所ではないので、期間が終われば自宅の暮らしに戻ります。使われ方は大きく2つあります。ひとつは本人側の事情で、退院直後で自宅の受け入れ準備が整っていない、独居で体調が不安定な時期を安全に過ごしたい、といった場合。もうひとつは介護する家族側の事情で、冠婚葬祭や出張、介護疲れの休息(レスパイト)のために、介護をいったん施設に預ける場合です。どちらも正当な使い方で、家族の休息のために使うことをためらう必要はありません。介護保険制度の全体像は介護保険ガイドで解説しています。

短期入所生活介護と短期入所療養介護の違い

ショートステイには制度上2つの種類があります。「短期入所生活介護」は、特別養護老人ホームなどに併設された施設で、食事・入浴・排せつの介助といった日常生活の世話を受けるタイプです。世の中で「ショートステイ」と呼ばれるものの大半はこちらです。「短期入所療養介護」は、介護老人保健施設(老健)や療養病床を持つ医療機関が提供するタイプで、医師や看護師が配置され、医療的な管理やリハビリを受けながら滞在します。たんの吸引や経管栄養など医療的ケアが日常的に必要な人、退院直後でリハビリを続けたい人は療養介護が候補になります。どちらを使うかは本人の状態で決まるので、迷ったらケアマネジャーに状態を伝えて判断を仰ぐのが確実です。

項目短期入所生活介護短期入所療養介護
提供する施設特養併設・単独のショートステイ施設老健・療養病床のある病院や診療所
ケアの中心食事・入浴・排せつなど生活の世話医療的管理・看護・リハビリ
医師・看護師配置は限定的医師・看護師・リハビリ職を配置
向いている人介助が必要だが医療処置は少ない人医療的ケアやリハビリが必要な人

申し込みはケアプラン経由が原則

ショートステイは、思い立ってすぐ施設に電話して泊まれるサービスではありません。介護保険で使うには、ケアマネジャーが作るケアプランに位置づける必要があります。流れとしては、まずケアマネジャーに「この期間、ショートステイを使いたい」と希望を伝え、ケアマネジャーが施設の空きを確認して予約を入れ、プランに組み込みます。要支援1・2の人は地域包括支援センターが窓口になります。なお、介護保険外の自費ショートステイ(有料老人ホームの体験入居や保険外の短期宿泊)もあり、こちらは認定やプランなしで使えるかわりに費用は全額自己負担です。保険の枠や30日ルールにかからない滞在が必要なときの選択肢として覚えておくと役立ちます。

費用の実額

料金の構造は保険内と保険外の二階建て

ショートステイの費用は2つの層でできています。1つめは介護保険が適用される基本料金と加算で、所得に応じて1〜3割を自己負担します。2つめは保険が適用されない食費と滞在費(部屋代)で、これは全額自己負担です。日用品費やレクリエーション材料費が加わる施設もあります。「1泊1,000円くらいと聞いていたのに請求が5,000円だった」という行き違いの多くは、この保険外部分を見落としていたケースです。基本料金は全国共通の「単位数」で決まっており、1単位はおおむね10円(地域により10〜11.4円)で換算されます。

要介護度別・部屋タイプ別の基本料金

2024年度介護報酬改定後の短期入所生活介護(要支援の行は介護予防短期入所生活介護)の基本単位数(1日あたり)は次のとおりです。「併設型」は特養などに併設された施設、「単独型」はショートステイ専用の施設で、併設型のほうがやや安く設定されています。1単位10円・1割負担で読み替えると、そのまま「1日あたりの自己負担円額」の近似になります。

このほかに多床室(相部屋)の区分もあり、単位数は施設の類型で変わるため、実際の見積もりは利用予定の施設に確認してください。基本料金に加えて、自宅と施設の間の送迎を頼む場合の送迎加算、夜間の職員配置や療養食、緊急の受け入れに対応した場合などの各種加算が上乗せされます。加算の種類は施設の体制によって違うので、同じ要介護度・同じ部屋タイプでも施設ごとに請求額は数百円単位でずれます。見積もりを比べるときは基本料金だけで判断せず、加算込みの日額で並べてください。要介護度の区分そのものについては要介護度ガイドを参照してください。

区分併設型・従来型個室併設型・ユニット型個室単独型・従来型個室単独型・ユニット型個室
要支援1451単位529単位479単位561単位
要支援2561単位656単位596単位681単位
要介護1603単位704単位645単位746単位
要介護2672単位772単位715単位815単位
要介護3745単位847単位787単位891単位
要介護4815単位918単位856単位959単位
要介護5884単位987単位926単位1,028単位

1泊あたりの実額モデル

要介護3の親が、併設型・従来型個室のショートステイを1割負担で使う場合を例にすると、基本料金の自己負担は1日745円前後。ここに食費が1日1,400円前後、従来型個室の部屋代が1日2,000〜3,000円程度(施設が設定。ユニット型個室は3,000〜5,000円程度になることが多い)加わり、1泊あたりの実額は4,000〜5,000円台に落ち着くのが一般的です。1週間で3〜4万円、2週間で6〜8万円という規模感になります。加算や地域単価で上下するので、予約時に「保険外も含めた1泊の総額」を施設に出してもらうのが確実です。介護費用全体の中での位置づけは介護費用ガイドで整理しています。

食費と部屋代を軽減する負担限度額認定

住民税非課税世帯などの場合、「負担限度額認定(補足給付)」を市区町村に申請すると、ショートステイの食費と滞在費が所得段階に応じた限度額まで軽減されます。施設入所だけの制度と思われがちですが、ショートステイも対象です。一方、月々の自己負担上限を定める高額介護サービス費は、保険適用の基本料金部分だけが対象で、食費・部屋代・日用品費は含まれません。「上限があるから大丈夫」と連泊の計画を立てると保険外部分が想定を超えることがあるため、軽減の対象範囲は分けて考えてください。申請先はどちらも市区町村の介護保険窓口です。

利用ルールと予約

連続利用は30日までという上限

介護保険でのショートステイは、連続利用が30日までと定められています。連続30日を超えた日からは保険給付の対象外となり、全額自己負担です。実務では、30日に達する前にいったん自宅に戻る、あるいは31日目だけを自費利用にして間を空ける、といった組み方でケアマネジャーが調整することがあります。ただしこの運用は自治体の解釈や施設の方針で差があるため、長期化しそうな場合は事前にケアマネジャーと市区町村に確認してください。そもそも30日を超える滞在が常態化しているなら、それは短期入所で支える段階を過ぎているサインでもあり、在宅と施設の比較検討に進む時期だと考えたほうが現実的です。

認定有効期間の半数というもう一つのめやす

30日ルールと別に、ショートステイの利用日数は「要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないこと」というめやすが厚生労働省の運用基準で示されています。たとえば有効期間が180日なら、利用日数の合計は90日程度までが目安です。特に必要と認められる事情があれば超過も可能ですが、その場合は理由を記載した届出やケアプランの提出を求める自治体が多く、様式や締切は市区町村ごとに異なります。半数を超えそうな見込みが立った時点で、事後ではなく事前にケアマネジャーへ相談するのが原則です。

区分支給限度額との兼ね合い

ショートステイの保険適用部分は、要介護度ごとに決まる月々の区分支給限度額の枠を消費します。訪問介護やデイサービスと同じ財布から出ていくため、ショートステイを長く入れた月は他のサービスに使える枠が減ります。月をまたぐ連泊なら枠も月ごとに分かれるので、日程の切り方ひとつで自己負担が変わることもあります。このやりくりはケアマネジャーの専門領域なので、「今月は何日までなら限度内か」を具体的に聞いてしまうのが早道です。

予約の取り方と混む時期

ショートステイの予約はケアマネジャー経由が基本で、人気施設は2〜3か月前から埋まり始めます。特に混むのは、お盆・年末年始・ゴールデンウィークの3つの時期です。年末年始はデイサービスなど他の通所系サービスが休業する一方でショートステイは受け入れを続けるため需要が集中し、1か月以上前でも満室ということが珍しくありません。取りたい日程が決まっているなら、満室と言われてもキャンセル待ちに登録し、複数の施設に並行して打診してもらうのが実務的な対処です。逆に自分たちが取消す側になる場合のキャンセル料は、施設が重要事項説明書で独自に定めています。たとえば前日の17時までの連絡なら無料、それ以降は基本利用料の1割負担分と初日の食事代相当を請求する、という規定を置く施設があります。キャンセル料は介護保険の給付対象外の全額自己負担なので、フライトの変更や本人の急な体調変化で日程が動きやすい海外在住の家族は、予約時にキャンセル規定の締切時刻まで確認しておくと安心です。施設側から見ると、初回利用には事前面談や健康状態の書類(診療情報提供書など)が必要なことが多く、「予約が取れてから当日まで」にも準備の日数がかかります。初めて使う施設なら、本番の前に1〜2泊のお試し利用を挟んでおくと、本人の抵抗感も施設側の受け入れ準備も格段に軽くなります。

海外・遠距離から

一時帰国の谷間を埋めるという発想

海外在住の家族にとって、ショートステイの価値が最も大きいのは「自分が日本にいない期間の埋め方」としての使い方です。たとえば、一時帰国して2週間親のそばで過ごし、出国した直後から次の体制が整うまでの1〜2週間をショートステイでつなぐ。あるいは、要介護認定の結果待ちや訪問介護の調整中で在宅の体制が固まっていない時期に、帰国できない自分のかわりに施設で安全を確保してもらう。こうした「谷間を埋める」設計は、上で見た30日ルールの範囲内で十分に組めます。一時帰国そのものの日程設計は遠距離介護の一時帰国ガイドで詳しく扱っているので、帰国日程とショートステイの予約をセットで考えてみてください。予約が2〜3か月前から埋まる以上、航空券を取る時点でケアマネジャーに「出国後の2週間を短期入所で」と打診しておくのが理想の段取りです。

日本側の主介護者が動けない期間の保険

親の日常を支えているのが日本国内の親族(もう一方の親、兄弟姉妹、親戚)である場合、その人が入院する、旅行に出る、自分の家庭の事情で動けなくなる、という事態は必ず起きます。海外にいる自分はすぐに飛べません。このときショートステイが確保できているかどうかで、危機の深刻さがまったく変わります。おすすめは、事態が起きてから探すのではなく、平時のうちに「いざというとき預けられる施設」を1〜2か所決めて、一度お試し利用まで済ませておくことです。利用実績のある施設は緊急時の受け入れ判断が速く、本人も知っている場所なら心理的な抵抗も小さくて済みます。遠距離介護の体制づくり全般は遠距離家族の支援ガイドにまとめています。

海外からの手配で伝えるべきこと

海外からショートステイを手配する場合、実務はほぼすべてケアマネジャーに委ねることになります。スムーズに進めるために、依頼時に次の情報をまとめて伝えてください。①希望期間(自分の出入国日と、埋めたい空白期間)、②予算の上限(1泊の総額でいくらまでか)、③部屋の希望(個室か多床室か)、④本人の説得状況(本人が乗り気か、抵抗があるか)。特に④は重要で、本人が「施設に入れられる」と受け取ると話がこじれます。「家族が留守の間だけホテルのように泊まる」という伝え方で本人の了解を先に取っておくと、ケアマネジャーも動きやすくなります。時差がある中でのやり取りになるので、緊急連絡先と意思決定者(誰の承認で契約を進めてよいか)を最初に明確にしておくことも忘れずに。

契約書類と初回面談も、海外からだと引っかかりやすいポイントです。初回利用時は施設との利用契約、健康状態の申告、かかりつけ医の情報提供などが必要で、書類には署名者が要ります。本人が署名できる状態ならよいのですが、認知症などで難しい場合、日本国内の親族が代わって手続きするのか、自分が一時帰国中に済ませるのかを先に決めておかないと、予約は取れたのに書類で止まるという展開になります。次の一時帰国の滞在中に、契約と事前面談とお試し1泊までまとめて済ませておくのが、遠隔で使える状態への近道です。

将来の入所に向けた助走としての価値

ショートステイには、目先の谷間を埋める以上の効果があります。定期的に同じ施設を使っていると、本人は施設での生活に少しずつ慣れ、施設側も本人の状態やこだわりを把握していきます。さらに、特別養護老人ホームの入所申込では、多くの自治体が優先度を点数で評価しており、その評価項目に「在宅サービスの利用率」が含まれることがあります。尾道市の入所申込者評価基準では、直近3か月平均の在宅サービス利用率が点数化され(8割以上で20点)、ショートステイは居宅サービスとしてこの利用率に算入されます。つまり、ショートステイを計画的に使ってきた実績は、将来の入所判定で「在宅で努力してきたが限界がある」ことを示す客観的な材料にもなり得るということです。評価基準は自治体・施設ごとに異なるため、入所を視野に入れ始めたら申込先の指針を確認してください。海外にいて日常の介護に関われない家族こそ、「月1回の定期ショートステイ」のような形で、本人と施設の関係と利用実績を先回りして育てておく価値があります。

よくある質問

ショートステイの連続利用が30日を超えるとどうなりますか?

連続30日を超えた日からは介護保険の給付対象外となり、全額自己負担になります。長期化しそうな場合は、自費日を挟む調整や在宅・入所への切り替えも含めて、早めにケアマネジャーへ相談してください。

要支援1でもショートステイを利用できますか?

利用できます。要支援1・2の人は介護予防短期入所として利用でき、窓口は地域包括支援センターです。基本料金は要介護の人より低い単位数が設定されています。

海外から帰国して出国する日に合わせて、ショートステイの開始日を指定できますか?

施設の空きがあれば指定できます。人気施設は2〜3か月前から埋まるため、航空券を手配する段階でケアマネジャーに出国日と希望期間を伝えておくと、日程を合わせやすくなります。

ショートステイの部屋代や食費にも軽減制度はありますか?

あります。住民税非課税世帯などが対象の負担限度額認定(補足給付)を市区町村に申請すると、食費と滞在費が所得段階に応じて軽減されます。施設入所だけでなくショートステイも対象です。

予約が取れないとき、複数の施設に同時にキャンセル待ちを入れても問題ないですか?

問題ありません。むしろ実務では複数施設への並行打診が普通です。取れた時点で他をケアマネジャー経由で断れば失礼にはあたりません。

短期入所療養介護を選んだほうがよいのはどんな場合ですか?

たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な場合や、退院直後でリハビリを続けたい場合です。医師・看護師が配置された老健などで滞在できます。判断に迷うときは本人の状態をケアマネジャーに伝えて相談してください。

一次情報・公的情報

本文は一次情報・公的情報を優先して確認しています。制度、費用、窓口の扱いは自治体や時期で変わるため、最終判断の前にリンク先の公式情報も確認してください。 最終確認日: 2026-07-03.

この記事について

この記事は一般的な情報の整理であり、医療・法律・介護の個別アドバイスではありません。制度の運用、費用、サービスの有無は自治体や状況によって異なるため、具体的な判断は関係機関や資格を持つ専門職にご確認ください。記事の作成・出典・修正の方針は編集方針をご覧ください。

あわせて読みたい

関連するガイドとサービス

在宅介護と施設介護の比較

自宅で支えるか、施設に頼るか。安全性、費用、医療対応、家族負担を比べるためのポイントをまとめました。

日本の介護保険の基本

公的介護保険の仕組み、保険料、要介護認定、サービス開始までの流れを、初めてのご家族向けに整理しました。

ケアプランの内容とは|第1〜7表の見方と変更の頼み方

ケアプランは要介護認定後にケアマネジャーが作る計画書です。第1〜7表の中身、暫定ケアプランの仕組み、変更を相談する具体的な言い方を海外家族向けに整理しました。

要介護度の考え方

要支援1から要介護5まで、介護度の区分がどう決まるのかを整理。認定調査で見られるポイント、区分ごとに使えるサービス、家族が準備しておきたいことを具体的に解説します。

日本の高齢者介護にかかる費用

介護にかかるお金は、介護保険の自己負担だけではありません。施設の居住費や食費、医療費、保険外サービスなど、家族が見落としやすい費用と考え方の目安を整理します。

遠距離介護の進め方

離れて暮らす親の介護は、体制づくりで負担が大きく変わります。最初の一歩、現地の連携先の見つけ方、帰省をムダにしない使い方まで、遠距離介護の進め方を解説します。

ケアマネジャーの役割

ケアプランの作成、事業者との調整、月1回の訪問など、ケアマネジャーが担う役割を解説。費用の仕組み、選び方・変え方、家族が伝えておきたい情報もまとめました。