海外から支える

前頭側頭型認知症の親の施設選び|受け入れ経験の確かめ方と質問リスト

施設検索サイトの「前頭側頭型認知症 受け入れ可」は、施設が自分で付けた目印です。実際に受け入れた経験があるかは、若年性認知症支援コーディネーターなどの無料窓口で候補を聞き、介護サービス情報公表システムで研修・加算・身体拘束の方針を確かめ、最後に施設へ具体的な質問をして答え方で見分けます。親が毎日歩けて会話も楽しめるなら、その力を止めずに暮らせるかを比べる軸の中心に置いてください。

前頭側頭型認知症の親の施設選び|受け入れ経験の確かめ方と質問リストの内容を表すJapan Care Conciergeの解説画像コラム
公開日
2026-10-04
最終更新日
2026-10-04
情報確認日
2026-10-04
出典
10件の一次情報・公的情報

探す前の前提

「受け入れ可」の中身

本記事は一般的な情報であり、診断や個別の医療上の助言ではありません。症状や治療の判断は、かかりつけ医など専門職にご相談ください。急に様子が変わった、転んで頭を打ったなど急ぎかどうか迷うときは、実施している地域なら#7119、命に関わると感じたら119に電話してください。

民間の老人ホーム検索サイトには、「前頭側頭型認知症(ピック病)受け入れ可」といった条件で絞り込めるものがあり、条件を付けても多くの施設が残ります。数だけ見ると選び放題に思えます。けれども、この表示は施設側の申告をもとにしていることが多く、何人受け入れてきたのか、どんな場面で退去になったのかまでは、一覧からは読み取れません。

海外に住む子から寄せられる相談も、たいていここで止まっています。親は前頭側頭型認知症と診断された。けれど身体はまだしっかりしていて、外を歩くことや人と話すことが毎日の支えになっている。日本で施設に入るなら、その力を取り上げずに暮らせる場所がいい。ただ、どこが本当に慣れているのかを確かめる方法がわからない。

認知症の受診の入口は親が認知症かもと思ったらに、グループホームの費用と入居条件の全体は認知症のグループホームに、在宅か施設かの判断は在宅介護と施設介護の比較にまとめています。以下は、診断がすでについていて、施設入居が見えてきた段階での確かめ方です。

アルツハイマー型との違い

病気そのものの説明は医師に任せますが、施設を選ぶうえで知っておきたい違いがいくつかあります。難病情報センターは、前頭側頭葉変性症を指定難病127として掲載し、主として初老期に発症し、70歳以上での発症はまれとしています。

同じページでは、記憶や空間を把握する力が比較的保たれる一方で、人格や行動、言葉の変化が早い時期から前に出ると説明されています。

施設側から見ると、ここがアルツハイマー型の方を想定した運営と食い違いやすい点です。物忘れへの手助けより、行動や言葉の変化への付き合い方が日々の中心になります。歩く力が保たれている方もいて、建物の中だけで過ごす前提の施設では、本人にも職員にも負担がかかります。

親の今の状態がこの説明にどこまで当てはまるかは、主治医の見立てによります。家族が病名や段階を判断する必要はありません。施設に伝えるのは、病名と、ふだんの1日の過ごし方です。

受診と相談の窓口

施設探しと並行して、日本側の医療のつながりを先に作っておくと、入居の相談がずっと進めやすくなります。

施設に入ると、日常の医療は協力医療機関や訪問診療の医師に移ることが多くなります。その前に、海外の診療記録と日本語訳を持って一度受診し、日本の医師に状態を知ってもらっておくと、施設とのやり取りで医療側の意見を添えてもらえます。

  • かかりつけ医:日本に戻ってから最初に決める医師です。要介護認定に必要な主治医意見書もここに依頼されます
  • 認知症疾患医療センター:国の認知症施策として各地に整備されている医療機関で、厚生労働省は鑑別診断、行動・心理症状への対応、専門医療相談、関係機関との連携を役割に挙げています。海外での診断を日本で引き継いでもらう相談先になります
  • 急ぎかどうか迷うとき:実施している地域では#7119、命に関わると感じたら迷わず119

入居の壁

施設種別の比較表

前頭側頭型の方の施設探しでは、入れるかどうかの壁が施設の種類によってまったく違います。認知症の診断があることより、要介護度と住所のほうが先に効いてきます。

特養・老健・グループホームの条件は、介護サービス情報公表システムのサービス解説にある全国共通の決まりを基にしています。有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の条件は、施設ごとの契約で決まります。入居一時金や月額の幅は施設によって大きく違うため、ここでは並べていません。費用の比べ方は在宅介護と施設介護の比較を参照してください。

施設種別ごとの入居の壁と、身体が元気な前頭側頭型の方への向き不向き(条件は施設や自治体で変わる)
施設の種類入居の壁身体が元気な方への向き不向き確認すること
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)認知症の診断+要支援2以上+施設と同じ市区町村の住民票5〜9人の少人数で役割を持ちやすい。外出の頻度は施設しだい前頭側頭型の受け入れ実績、散歩の付き添い体制、他の入居者との相性で退去になった例
特別養護老人ホーム原則要介護3以上。要介護1・2はやむを得ない理由がある場合のみ身体が元気なうちは要介護度が届かず、申し込めないことが多い特例入所の扱い、ユニットの人数、日中に屋外へ出る機会
介護付き有料老人ホーム施設ごとに条件を決める。自立から入れる施設も、要介護1以上に限る施設もある認知症の専用フロアを持つ施設もあるが、扉の施錠で囲う運営もある認知症フロアの出入りの決まり、庭や屋上に出られるか、退去条項
住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅住まいの契約。認定がなくても自費で契約できる所が多く、介護は外部の事業者と別に契約生活の自由度は高いが、夜間や外出中の見守りが手薄になりやすい夜間の職員数、外部事業所との連携、行方がわからなくなったときの手順
介護老人保健施設(老健)要介護1以上。リハビリと在宅復帰を目的にした中間の施設長く住む場所にはならない。入所期間の目安を最初に聞く退所後の行き先の相談、認知症の方のリハビリの経験

要介護度が低く出る理由

毎日長く歩ける親の要介護度は、家族の実感より低く出ることがあります。要介護認定は病気の名前や重さを測るものではないためです。

厚生労働省は、要介護認定を介護サービスの必要度を判断するものと説明し、病気の重さと要介護度の高さは必ずしも一致しないとしています。一次判定では、食事や移動の介助、見守りなどにかかる手間を「要介護認定等基準時間」という分数に置き換えます。たとえば32分以上50分未満なら要支援2か要介護1の幅です。

同じ説明の中で、身体の状況が比較的良好でも、行動の変化のために介護の手間が多くかかることがある、とも書かれています。基準時間には行動・心理症状に関わる手間の分野が含まれているので、調査の日に本人がしっかり受け答えをしても、ふだんの様子が伝われば判定に反映される余地があります。逆に、調査の日だけを見られると、元気な方ほど軽く出ます。

家族ができるのは、日付と場面の入った記録を用意しておくことです。何時ごろに家を出て、どの道を何キロ歩いたか。店でどんなやり取りがあったか。誰がどう対応したか。準備の仕方は要介護認定の進み方に書いています。結果は法律上は原則30日以内とされていますが、厚生労働省の令和5年度の集計では保険者の中央値で39.3日かかっています。施設の申込みに認定結果が要るなら、その日数も計画に入れておいてください。

住所と地域の壁

グループホームは地域密着型サービスなので、原則として施設と同じ市区町村に住民票がある人しか入れません。海外から戻る家族が最初につまずくのがここです。

前頭側頭型の方を受け入れた経験のあるグループホームは、どの町にもあるわけではありません。良さそうな施設が親の住む予定の市区町村の外にあったときは、住民票をどこに置くかから考え直すことになります。転入届には住み始めてからの期限があるので、帰国後の仮の住所をどこにするかを決める前に、候補の施設とその市区町村の窓口に入居の見込みを相談しておくと、引っ越しを2回せずに済みます。

特養のうち地域密着型に分類される小規模なものも、同じように住所の決まりがあります。介護付きや住宅型の有料老人ホームにはこの決まりがないため、住所の壁を越えて探すなら有料老人ホームが候補に残りやすくなります。

経験のある施設の探し方

若年性認知症の窓口

受け入れ経験のある施設を知っているのは、日ごろから若い発症の方の相談を受けている人たちです。厚生労働省は、若年性認知症の本人と家族の相談に応じる若年性認知症支援コーディネーターの配置を都道府県と指定都市に進めています。

コーディネーターの仕事は、相談支援に加えて、医療・介護・就労の関係者をつなぐ網の目づくりです。そのため、前頭側頭型の方を実際に受け入れてきた施設や、外出の多い暮らしに付き合ってくれたデイサービスの名前を、経験として持っていることがあります。窓口は都道府県のホームページで「若年性認知症支援コーディネーター」と検索すると見つかります。相談の対象は若年性認知症の本人と家族が中心なので、親の発症の年齢と今の年齢を伝えて、相談に乗ってもらえるかを最初に確かめてください。

もう1つの全国窓口が、厚生労働省が若年性認知症の総合相談窓口として案内している若年性認知症コールセンター(認知症介護研究・研修大府センター)です。0800-100-2707に、月曜から土曜の10時から15時(祝日と年末年始を除く)に電話でき、65歳未満の認知症の人と家族の相談に応じています。フリーダイヤルは海外からかけられないことが多いので、コールセンターのサイトにあるメール相談か、日本にいる親族からの電話を使ってください。

コーディネーターやコールセンターから施設の名前を聞いたら、それで決めずに候補リストの1行目に置く、という使い方が合っています。名前が挙がった理由を一緒に聞いておくと、見学のときの質問の材料になります。

公表システムで見る項目

介護サービス情報公表システムには、全国の介護事業所が毎年、運営の状況を登録しています。見るべき項目は多いのですが、前頭側頭型の方の施設選びでは次の4つに絞ると比べやすくなります。

加算を算定していないから質が低い、とは言い切れません。小さな事業所では要件の人数をそろえにくいこともあります。逆に、加算があっても前頭側頭型の方を受け入れた経験があるとは限りません。公表システムで見えるのは体制の骨組みまでです。中身は、次の章の質問で確かめます。認知症に限らず、公表システムの項目全体の読み方と行政処分の調べ方は、介護施設の質の調べ方にまとめています。

  • 認知症介護基礎研修:2021年度の介護報酬改定で、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉の資格がない人に受講させることが義務づけられ、3年の経過措置を経て2024年4月から完全に適用されています。どの施設でも満たしているはずの最低線なので、公表システムでは、その先の研修を見ます。基本情報の認知症介護実践者研修・実践リーダー研修の修了者の人数と、運営情報の認知症ケアの研修の項目です
  • 認知症専門ケア加算:認知症介護実践リーダー研修などを修了した職員を配置し、認知症ケアの会議を定期的に開いている事業所が算定する加算です。算定していれば、その体制があることの目安になります
  • 認知症チームケア推進加算:2024年度に新しくできた加算で、行動・心理症状の評価を計画的に行い、複数の職員がチームで予防や早めの対応にあたる施設が対象です。グループホーム、特養、老健などで算定できます。専門ケア加算とは同時に算定できないので、どちらか一方を見ます
  • 身体拘束の適正化:委員会を3か月に1回以上開く、指針を整える、研修を定期的に行う、拘束をした場合はその態様と時間、理由を記録する。2024年度の改定では、この取組状況が公表システムに登録する項目に加えられました

見学で目に入るもの

見学の時間は短くても、建物と日課の組み方から読み取れることがあります。オンラインの見学なら、カメラを外に向けてもらうよう頼んでください。

毎日の散歩が習慣になっている方にとって、外に出られない日が続くことは、それだけで落ち着かなさの種になります。外へ出る仕組みがある施設かどうかは、パンフレットより日課表と庭の様子のほうが正直です。

  • 玄関から庭や中庭まで、本人が職員と一緒に歩いて出られる動線があるか
  • 散歩や買い物の外出が日課表に書かれているか、それとも「天気が良い日に」だけか
  • プランターや畑など、手を動かせる場所が実際に使われている形跡があるか
  • ユニットの扉の施錠が、時間帯や入居者ごとに考えて運用されているか
  • 職員が入居者に話しかける声の調子と、言葉の短さ

施設への質問

ケアの方針を聞く

質問は、相手が「はい」で終われない形にすると、経験の有無が答え方に出ます。次の質問は、見学の前にメールで送っておき、当日に答えてもらう使い方もできます。

薬や拘束についての質問は、施設に答えにくいと思われがちです。けれども、身体拘束の手順は法令で記録が求められている事柄なので、きちんと運営している施設ほど落ち着いて説明してくれます。厚生労働省が公表している身体拘束廃止・防止の手引きは、緊急やむを得ない場合を、切迫性・非代替性・一時性の3つがそろうときに限っていて、家族の同意は拘束を認める根拠にならないとしています。薬の調整そのものは医師の判断なので、施設に求めるのは、誰に相談してどう決めるかの流れです。

  • これまでに前頭側頭型、特に行動の変化が前に出るタイプの方を何人受け入れましたか。その方は今も入居されていますか
  • 決まった時間に同じ道を歩きたがる方には、どう付き合っていますか。職員が付き添う散歩は1日何回までできますか
  • 他の入居者の食事に手を伸ばすなど、人との距離が近すぎる場面では、まず何をしますか
  • 落ち着かない状態が続いたとき、身体拘束や薬の追加を検討する前に、どんな手順を踏みますか。誰がどの順で判断しますか
  • 夜間は何人の職員で何人の入居者を見ていますか
  • 精神科の医師とはどうつながっていますか。訪問診療ですか、受診の付き添いですか
  • ケアプランはどのくらいの間隔で見直しますか。家族は会議にオンラインで参加できますか

暮らしと契約を聞く

今の力を保てるかどうかは、日課と契約の両方に表れます。とくに退去の条件は、入居後に一番もめやすいところです。

英語の対応は、「話せる職員がいます」の一言で終わらせないでください。その人が夜勤にも入るのか、週に何日いるのかで、親の毎日はまるで変わります。英語で話すほうが落ち着く方なら、英語の雑誌や音楽を部屋に置いてよいかも聞いておくと、言葉を使う時間を守る手がかりになります。

退去の条項は、重要事項説明書と契約書の両方で確かめます。口頭で「よほどのことがない限り大丈夫です」と言われても、書面に残っていなければ判断材料にはなりません。

  • 毎日の散歩は日課に入れられますか。雨の日は建物の中でどこを歩けますか
  • 園芸や料理の下ごしらえなど、手を動かす役割を本人に任せている例はありますか
  • 英語で話しかけられる職員はいますか。いるなら、勤務している曜日と時間帯を教えてください
  • 「他の入居者に影響が出たとき」に退去を求める条項はありますか。どの程度の状態で、何日前に、どんな手順で告げられますか
  • 退去になる場合、次の行き先探しを施設も手伝ってくれますか
  • 入院したとき、部屋は何日まで確保されますか

答え方の聞き分け

同じ質問でも、経験のある施設とない施設では答えの粒度が違います。

経験のある施設は、過去の入居者の話を個人がわからない形で具体的にしてくれます。「その方は朝の9時と午後3時に決まった道を歩きたがったので、職員の休憩をずらして付き添いました」といった話です。うまくいかなかった例を隠さずに話してくれる施設も、信頼の材料になります。

一方で、「認知症の方には慣れていますので」「個別に対応します」で答えが終わる場合は、前頭側頭型の方の経験が少ないか、まだ具体的な想像ができていない可能性があります。悪い施設だと決めつける必要はありません。ただ、その場合は、入居前に体験入居を数日はさんで、実際の付き合い方を見せてもらうよう頼んでください。

施設が受け入れに慎重な姿勢を見せたときも、すぐに候補から外さないほうがよい場合があります。できないことを最初に言ってくれる施設は、入ってから突然退去を告げる施設より、長い付き合いには向いています。

海外から進める

公的な相談窓口

公的な窓口は、それぞれできることが違います。相談そのものは一般に無料ですが、認知症疾患医療センターでの受診や診断はふつうの医療として費用がかかります。海外から直接メールや電話で受けてくれるかは窓口ごとに違うので、必要なら日本にいる親族に最初の連絡を頼んでください。

地域包括支援センターの探し方と相談のしかたは地域包括支援センターとはにまとめています。在宅で過ごす期間が残っている場合の公的サービスの組み合わせは認知症の在宅介護を参照してください。

公的な窓口は中立の立場なので、特定の施設を「ここが良い」とは言いにくいものです。施設に質問リストを送り、答えを集めて表にし、時差のある家族にわかる形で返すのは、現地のケアマネジャーか、施設探し支援のような調整役の仕事になります。

前頭側頭型認知症の親の施設探しで使える公的な窓口
窓口頼めること頼めないこと
地域包括支援センター親が住む予定の地域の施設事情、要介護認定の申請の手伝い、ケアマネジャーの紹介施設の空きを押さえる、施設を指定して勧める
認知症疾患医療センター日本での診断の引き継ぎ(受診はかかりつけ医の紹介から)、医療面の相談、地域の支援者への紹介施設を選ぶ、入居の交渉
若年性認知症支援コーディネーター(都道府県・一部の指定都市)若い発症の方を受け入れた経験のある施設やサービスの情報、関係者のつなぎ施設との契約や費用の調整
市区町村の介護保険の窓口要介護認定、介護保険の被保険者証、親が使える地域密着型サービスの範囲どの施設が親に合うかの判断
若年性認知症コールセンター電話とメールでの相談、地域の窓口の案内個別の施設の紹介や見学の同行

進める順番

ここまでの話を、海外から動く場合の順番に並べ直すと次のようになります。

経験のある施設が予定の市区町村の外にあると分かるのは、たいてい質問の答えが返ってきた後です。仮住まいの契約を急がず、住民票の置き場所はその答えを見てから決めると、引っ越しを2回せずに済みます。

帰国前に施設探しをどこまで進められるかは帰国前の施設探しに、認定が出るまでの数週間の受け皿は帰国直後の介護のつなぎにまとめています。

  • 帰国の数か月前:若年性認知症支援コーディネーターか、親が住む予定の地域包括支援センターに事情を伝え、受け入れ経験のある施設の名前を聞く
  • 名前が挙がった施設を公表システムで確かめる。研修修了者の人数、認知症関係の加算、身体拘束の適正化の取組の3点
  • 質問リストをメールで送り、答え方を比べる
  • 有力な施設がグループホームなら、その市区町村に住民票を置く段取りを決める
  • 帰国後すぐに転入届と要介護認定の申請をし、結果が出るまでの過ごし方を決めておく

最後に確かめること

冒頭の「受け入れ可」の目印に戻ると、それ自体は候補の入口にすぎません。毎日歩き、人と話すことを楽しんでいる親にとっての良い施設は、その習慣を日課表の中に残してくれる施設です。

体調の急な変化や、ふだんと違う様子が見られたときは、施設選びの途中であっても受診を優先してください。迷うときは、実施している地域なら#7119、命に関わると感じたら119です。病気の見立てや薬のことはかかりつけ医や専門医に、入居契約の法的な判断は弁護士などの専門家に相談してください。制度の運用は自治体や施設によって異なるため、最新の条件は窓口と書面で確かめてください。

  • 候補の施設が、前頭側頭型の方を実際に受け入れた経験を具体的に話せるか
  • 散歩や外出を、職員の手が空いたときでなく日課として約束できるか
  • 拘束や薬の追加の前に踏む手順を説明できるか
  • 退去条項の中身を書面で確かめたか
  • 日本のかかりつけ医と、相談できる認知症疾患医療センターが決まっているか

よくある質問

施設検索サイトの「前頭側頭型認知症 受け入れ可」という表示は、誰がどう付けているのですか?

多くの検索サイトでは、施設側の申告をもとに表示されています。何人受け入れてきたか、今も入居しているかまでは分からないので、施設に直接聞いて確かめてください。若年性認知症支援コーディネーターなどの窓口で候補の名前を聞くと、経験のある施設に早くたどり着けます。

毎日長い距離を歩ける親だと要介護認定が軽く出て特養に申し込めないことはありますか?

あります。特養は原則要介護3以上で、要介護認定は病名ではなく介護にかかる手間を時間に置き換えて判定します。行動の変化に伴う手間も判定の分野に含まれるので、ふだんの様子を日付と場面入りで記録し、調査のときに伝えてください。それでも届かない場合は、グループホームや有料老人ホームが現実的な候補になります。

若年性認知症支援コーディネーターには65歳を過ぎた親のことも相談できますか?

相談の中心は若年性認知症(65歳未満で発症した認知症)の本人と家族です。発症が65歳未満だったか、今の年齢がいくつかで扱いが変わることがあるので、最初に伝えて相談に乗ってもらえるかを確かめてください。対象外でも、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターを案内してもらえます。

施設に身体拘束の方針を聞くのは失礼にあたりませんか?

失礼にはあたりません。身体拘束は、委員会の開催や指針の整備、行った場合の記録が法令で求められていて、2024年度からは取組状況が介護サービス情報公表システムの登録項目にもなっています。落ち着かない状態が続いたときに、拘束や薬の前にどんな手順を踏むかを聞くと、施設の考え方がよくわかります。

英語を話せる職員について、施設には人数のほかに何を聞くべきですか?

人数より勤務の時間帯です。週に何日いて、夜勤や休日にも入るのかを聞いてください。日中の数時間しかいないなら、ほかの職員が使える短い英語の言い回しを部屋に貼る、英語の雑誌や音楽を置くなど、言葉を使う時間を守る工夫を施設と一緒に考えます。

一次情報・公的情報

本文は下記の10件の一次情報・公的情報を確認して書いています。制度・費用・窓口の情報は自治体や時期で変わるため、最終判断の前に必ずリンク先の公式情報を確認してください。 最終確認日: 2026-10-04.

この記事について

この記事は一般的な説明で、医療・法律・介護の個別アドバイスではありません。Japan Care Conciergeは、1999年設立の社会福祉法人 伸こう福祉会の介護サービスで培った知見をもとに運営しています。同法人は神奈川県でクロスハートの名称で高齢者向け施設・サービスを展開しています。施設・事業者から紹介料は受け取らず、医療行為・診断・緊急対応・直接介護も行いません。介護保険の保険者は全国に1,559あり、認定にかかる日数も運用も保険者ごとに違うので、個別の可否はお住まいの市区町村の介護保険課か地域包括支援センターでご確認ください。公開日・更新日は実際の日付です。記事の作成・出典・修正の方針は編集方針をご覧ください。

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