出発前にできること
出発前と到着後の境目
親の帰国が決まって施設に電話をすると、多くの場合「住民票と要介護認定が出てから、もう一度ご連絡ください」と言われます。せっかく早く動いたのに門前払いされたように感じますが、実際には出発前に進められることはかなり多くあります。
境目ははっきりしています。候補の絞り込み、施設への事前相談、入居条件と医療対応の確認、自費で入れる住まいの仮押さえまでは、親がまだ海外にいるうちに進められます。反対に、特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・グループホームへの正式な申込と受入決定は、日本で住民登録をして要介護認定が出たあとでなければ進みません。施設側が意地悪をしているわけではありません。公的な施設の入所は、介護保険の被保険者であることと、認定の結果を前提に組み立てられているためです。
この記事では、海外にいる子の立場から「どこまでを出発前に終わらせ、何を到着後に回すか」を順番に並べます。親本人の帰国手続き(住民票・年金・税)は在外邦人の老後と永住帰国の準備、帰国後の国民健康保険と介護保険の加入は帰国後の健康保険・介護保険の再加入、そもそも在宅か施設かで迷っている段階なら在宅介護と施設介護の比較が先になります。ここでは施設探しの段取りだけを扱います。
親が長く海外で暮らした日本人の場合も、外国籍の親が日本へ移る場合も、施設探しの順番は同じです。違うのは住民登録の入口で、外国籍の親は在留期間が3か月を超える在留資格を得て住民登録の対象になることが、介護保険に入るための前提になります。在留資格の判断は出入国在留管理庁の窓口か行政書士にご確認ください。
候補の絞り込み
候補探しは、住む予定の市区町村を先に決めるところから始まります。住む場所が決まらないと、公的な施設の申込先も、認定を申請する窓口も決まらないからです。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、全国の介護事業所を都道府県ごとに検索でき、所在地・運営方針・利用者の状況・従業者の状況・利用料などが公表されています。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の情報も同じシステムから探せます。海外からでも閲覧できますので、まず住む予定の市区町村で、施設の種類ごとに候補を10か所ほど書き出してください。
次に、その市区町村のホームページで高齢者施設の一覧を確認します。自治体によっては特養の空き状況や申込者数、入所の優先順位の決め方を公開しています。たとえば新宿区は、特養の入所を申込順ではなく必要性の高い人から決める方式で、年6回の基準日ごとに優先順位の名簿を作ると説明しています。こうした情報があると、特養をすぐの入居先として当てにできるかどうかを出発前に見積もれます。
絞り込みで見るのは、場所と費用だけでは足りません。親の持病に必要な医療処置(インスリン注射、在宅酸素、たんの吸引、透析への通院など)に施設が対応できるか、夜間に看護職員がいるか、協力医療機関はどこか。この3点で候補は半分ほどに減ることが多く、電話で聞く施設の数も現実的になります。
施設への事前相談
候補が5か所ほどに絞れたら、施設に電話かメールで事前相談をします。時差があるので、最初の連絡はメールか問い合わせフォームで送り、電話の時間を相手に選んでもらうほうが話が早く進みます。
最初の連絡で送るのは、親の状態を1枚にまとめた要約です。年齢、帰国予定日、住む予定の住所、主な病名と診断を受けた時期、飲んでいる薬(一般名と量)、歩行・食事・排せつ・入浴でどこに手助けが要るか、認知症の有無と症状、必要な医療処置。これを日本語で書いて添えると、施設側は「うちで受けられそうか」をかなり具体的に答えられます。
質問は、施設の答えが「はい・いいえ」か数字で返ってくる形にします。漠然と「入れますか」と聞くと、答えは「認定が出てから」で止まってしまいます。
- この状態の方の受け入れ実績はあるか(医療処置と認知症の程度を示して)
- 入居条件(年齢・要介護度・認定がない場合の扱い・保証人)
- 現在の空き状況と、待機者がいる場合の人数と待つ期間の目安
- 入居前面談は誰とどこで行うか、本人の来所が必要か
- 入居時に求める書類(健康診断書・診療情報提供書・感染症検査など)
- 入居一時金・月額費用・認定前の介護費の扱い
- 家族が海外にいる場合の連絡方法と、緊急時の連絡先の決め方
施設の返事の範囲
事前に出せる返事
出発前の相談で施設が返せるのは、多くが「見込み」です。正式な決定ではありませんが、帰国の段取りを組むには十分な材料になります。
ひとつ目は、受け入れの見込みです。送った要約を見て「この医療処置なら対応できます」「この認知症の症状だと、うちより医療の厚い施設が合います」といった答えが返ってきます。口頭の見込みなので約束にはなりませんが、候補から外すかどうかの判断には使えます。
ふたつ目は、仮申込や入居予約です。住宅型有料老人ホームやサ高住、介護付き有料老人ホームの一部は、入居希望日を決めて部屋を押さえる仕組みを持っています。予約金や申込金が要る施設もあり、返金の条件は施設ごとに違いますので、払う前に書面で確認してください。
みっつ目は、空き待ちの名簿への登録です。満室の有料老人ホームでも、空きが出たら連絡する名簿に載せてくれることがあります。特養の待機とは別物で、施設が独自に持つ連絡リストです。
建物の様子や居室は、写真や動画、オンラインでの見学で確認できる施設が増えています。見学のときに聞いておくことは施設のオンライン面会と見学の進め方にまとめています。
到着後にしか出ない返事
どれほど丁寧に相談しても、海外にいるあいだは出てこないものがあります。この3つを出発前の計画に入れてしまうと、到着後に予定が崩れます。
まず入居前面談です。施設の相談員や看護職員が本人に会い、歩き方や会話の様子、服薬の管理、夜間の状態を確かめます。オンラインで済ませる施設もありますが、医療処置や認知症がある場合は対面を求められることが多く、帰国してからの日程になります。
次に診療情報提供書です。いわゆる紹介状で、日本の医師が日本の医療機関や施設に宛てて書くものです。海外の主治医の診断書はその代わりになりません。到着後に日本で受診して、はじめて作ってもらえる書類です。
そして、認定前の正式な受入決定です。特養・老健・グループホームは要介護度によって入れるかどうかが決まるため、結果が出る前に「入居決定」は出せません。特養の申込そのものも認定が前提で、新宿区は「要介護認定申請中の方は、認定結果が判明してから申し込んでください」と案内しています。さらに新宿区では、本人が区の被保険者でなく、本人・主な介護者・申込者のいずれも区に住民票がない場合は「区外扱い」となり、点数が高くても区内扱いの人より下の順位になります。
到着した時点で入居先が決まっていなければ、認定が出るまでの数週間を別の手段でつなぐことになります。ここでは、そのつなぎの期間をできるだけ短くするための準備に絞ります。
施設の種類別の早見表
施設の種類ごとに、認定が要るか、海外にいるうちに何ができるか、入居時に何を求められるかを並べました。条件の細部は自治体と施設で違いますので、最終確認は各施設で行ってください。
表の「施設が求める主な書類」は、一般的に求められることが多い書類の例です。施設が独自の様式を使うことも多いので、事前相談のときに一覧をもらっておくと、到着後に何を揃えればよいかがはっきりします。
| 施設の種類 | 要介護認定 | 海外からの仮申込 | 施設が求める主な書類 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 原則要介護3以上(1・2は特例入所のみ) | 不可。住民登録と認定のあとに市区町村や施設へ申込 | 入所申込書・介護保険被保険者証の写し・認定の情報・健康状態の書類 |
| 介護老人保健施設(老健) | 要介護1以上 | 相談のみ。入所判定は認定後 | 診療情報提供書・健康診断書・服薬情報 |
| グループホーム | 要支援2以上と認知症の診断 | 相談のみ。施設のある市区町村の住民であることが条件 | 認知症の診断書・診療情報提供書・被保険者証の写し |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設による。自立から入れる型もある | 見込みと入居予約ができる施設がある | 健康診断書・診療情報提供書・身元引受の書類 |
| 住宅型有料老人ホーム | 不要の施設が多い | 見込みと入居予約ができる施設が多い | 健康診断書・服薬情報・身元引受の書類 |
| サ高住 | 不要 | 見込みと入居予約ができる住宅が多い | 賃貸借契約の書類・健康状態の申告・連帯保証や緊急連絡先 |
認定と施設の種類
認定が前提の施設
介護保険の施設に入るには、要介護認定が出ていることが条件です。そして認定の申請は、住民登録をして介護保険の被保険者になったあとでなければできません。
特養は、介護サービス情報公表システムの説明で、要支援1・2の人は利用できず、新たに入所する要介護1・2の人もやむを得ない理由がある場合以外は利用できないとされています。実質的には原則要介護3以上です。全国で待機者が多く、入所の順番は点数で決まる地域が多いので、帰国してすぐの入居先として見込むのは難しいと考えてください。点数の付き方は自治体ごとに違い、川崎市と横浜市の例を特養の申込と入所の点数で取り上げています。
老健は要介護1以上が対象で、病院から自宅へ戻るまでのリハビリを目的にした施設です。長く住む場所として探すものではありませんが、帰国直後の体力が落ちた時期の受け皿として候補になることがあります。
グループホームは、要支援2以上で認知症の診断がある人が対象です。注意が要るのは、グループホームが地域密着型サービスに分類されている点です。地域密着型サービスは、原則としてその市区町村の住民(被保険者)だけが使えます。親が帰国してまず子の家がある市に住民登録をし、そのあと別の市のグループホームに入ろうとすると、条件に合わないことがあります。グループホームが第一候補なら、最初の住民登録をどこにするかを出発前に決めておいてください。費用と入居条件の詳細は認知症グループホームの費用と入居条件にあります。
認定なしで入れる施設
認定がなくても入居できるのは、住宅型有料老人ホーム、サ高住、それに介護付き有料老人ホームのうち自立の方も受け入れる施設です。いずれも民間の住まいで、入居の可否は施設が自分の基準で決めます。
このため、帰国の時点で入居先を確保しておきたい家族は、ここから候補を探すことになります。住宅型有料老人ホームやサ高住は住まいと介護の契約が分かれていて、介護が要るときは外部の訪問介護などを別に契約します。認定が出るまでは、その介護費は全額自己負担になります。認定は申請日にさかのぼって効力が出るので、申請を済ませたうえでケアマネジャーが暫定ケアプランを作れば、結果を待つあいだのサービスも保険の対象として扱える場合があります。ただし、出た結果が想定より軽かったり非該当だったりすると、費用の全部または一部が自己負担になります。
介護付き有料老人ホームは、要介護度ごとに介護費が定額になる仕組みです。認定前に入居した場合、その期間の介護費を自費で請求するのか、認定後に保険で精算するのかは施設によって違います。契約前に書面で確かめてください。入居一時金と月額費用の考え方は介護付き有料老人ホームの費用、サ高住の仕組みはサ高住とはで詳しく扱っています。
認定なしで入れる施設を先に確保し、特養やグループホームは認定が出てから申し込む。帰国と入居を同じ時期に重ねたい家族にとって、現実的な組み方はこの二段構えです。
書類と契約の準備
海外の診断書と日本語訳
海外で受けてきた診断や治療の記録は、出発前に必ず揃えておきたい書類です。ただし、役に立つ場面と、代わりにならない場面があります。
役に立つのは2つの場面です。ひとつは施設への事前相談で、診断名や服薬が書かれた記録があると、施設は受け入れの見込みを具体的に答えられます。もうひとつは、日本で最初にかかる医師への情報提供です。要介護認定では、市区町村が主治医に意見書を依頼します。帰国したばかりの親には日本の主治医がいないことが多く、初診の医師が意見書を書くことになります。そのとき、海外での経過がわかる記録と日本語訳があれば、医師は短い期間でも病歴を踏まえた意見書を書けます。
一方で、海外の診断書は日本の評価の代わりにはなりません。主治医意見書を書くのは日本の医師で、主治医がいない場合は市区町村が指定する医師の診察を受ける仕組みです。認定調査も、日本の調査員が本人に会って行います。海外の書類が立派でも、認定が早く出るわけではないと考えておいてください。
厚生労働省が全国1,559保険者の令和5年度(令和5年4月〜令和6年3月)の申請分を集計した資料では、各保険者の平均値の中央値で、申請から二次判定までが39.3日、主治医意見書の依頼から入手までが17.9日でした。意見書の待ち時間は認定期間の半分近くを占めます。到着したらすぐ受診先を決め、記録を持って受診することが、この部分を縮める数少ない手段になります。
- 主な病名と診断日、治療の経過(直近1〜2年分)
- 服薬リスト(一般名・量・飲む時間。商品名だけだと日本で同じ薬が特定できないことがあります)
- 直近の検査結果と画像検査の報告書
- 認知機能の検査結果と、日常生活でできること・できないことの記録
- アレルギー、手術歴、入院歴
翻訳を頼むときの注意
日本語訳は、医療の専門用語に慣れた翻訳者に頼むのが確実です。全文を訳す必要はありません。
訳してほしいのは、上の一覧にある要点です。何十ページもある記録をすべて訳すより、要点を2〜3枚にまとめて原本を添えるほうが、施設の相談員にも医師にも読んでもらえます。薬の名前は一般名で書き、量の単位も原文どおりに残してください。単位の取り違えは、服薬の事故につながります。
原本は、帰国時に手荷物で持ち帰ります。電子データで受け取れる国なら、それも保存しておくと、日本の医療機関から追加の資料を求められたときに送り直せます。
契約と保証の準備
施設の入居契約では、契約者と身元引受人、緊急連絡先を決めるよう求められます。子が海外に住んでいると、ここで手続きが止まりやすくなります。
本人に判断能力があれば、本人が契約者になります。子が海外にいる場合、施設は「連絡はつくが、すぐには来られない家族」として受け止めます。費用の支払いと意思決定は子が書面で引き受け、入院時の付き添いや荷物の引き取りは国内の親族や事業者に頼む、という役割分担を先に示せると、受け入れの話が進みやすくなります。保証人を立てられない場合の考え方は身元保証人がいない高齢者の選択肢を参照してください。
費用を海外から払う方法や、契約の代理・委任の切り分けは海外から介護サービスを手配するで詳しく扱っています。入居一時金のような大きな支払いは、送金の日数と手数料を見込んで、入居日から逆算して準備してください。
到着後の段取り
到着後の手続きの順番
到着してからの手続きは、順番が決まっています。前の手続きが終わらないと次に進めないので、どこで時間がかかるかを先に知っておくと計画が立てやすくなります。
最初は転入届です。住民基本台帳法では、転入した日から14日以内に届け出ることになっています。65歳以上の親は、市区町村に住所を持った日から、その市区町村の介護保険の第1号被保険者になります。特別な加入手続きは原則として要りません。
続いて要介護認定の申請です。転入届と同じ日に、介護保険の窓口で申請できる自治体が多くあります。介護保険法では申請から原則30日以内に結果を出すことになっていますが、先ほどの集計のとおり、保険者の中央値で39.3日かかっており、30日以内に認定された割合は中央的な自治体で21.4%です。結果は申請日にさかのぼって効力が出ますので、申請は1日でも早いほうが有利です。認定の流れと日数の詳細は要介護認定の流れで確認できます。
結果が出たら、ケアマネジャーや施設の相談員と入居の段取りに入ります。認定なしで入れる施設を先に契約していた場合は、ここで介護費の精算方法を確認し、特養やグループホームへの申込もこのタイミングで出します。
最初の住所と住所地特例
どこに最初の住民登録をするかで、介護保険を担当する市区町村が変わります。施設探しでは見落とされやすい点です。
介護保険には住所地特例という仕組みがあります。ある市区町村に住んでいた人が、別の市区町村の介護保険施設や有料老人ホーム、サ高住などに入って住民票を移した場合、移る前の市区町村が引き続き保険者になるものです。施設の多い市に負担が集中しないための仕組みですが、地域密着型の施設は対象から外れます。
海外から直接施設の住所へ転入する場合は、移る前の国内の住所がないため、原則として施設のある市区町村がはじめから保険者になります。一方、いったん子や親族の家に住民登録してから別の市の有料老人ホームに入ると、最初に住民登録した市が保険者のままになります。どちらが有利かは家庭の事情によりますが、認定の申請先、更新の手続き先、保険料の納付先が変わりますので、転入先の介護保険の窓口で事前に確認しておいてください。
帰国前後の時系列表
ここまでの流れを4つの時期に分けました。帰国日が決まったら、この表を基準に逆算すると抜けが出にくくなります。
到着後2〜6週の欄は、認定が中央値どおり39.3日前後で出る前提で組んでいます。自治体によってはさらに時間がかかりますので、ここに余裕を持たせておくと、帰国後の滞在予定や航空券の変更に慌てずに済みます。
| 時期 | 家族がすること | 施設・窓口から得られるもの |
|---|---|---|
| 出発前(3〜6か月前から) | 住む市区町村を決める。候補を情報公表システムで絞る。要約と日本語訳を作り、施設に事前相談。認定なしで入れる施設の入居予約 | 受け入れの見込み、入居条件、必要書類の一覧、入居予約 |
| 到着週(14日以内) | 転入届。同じ日に要介護認定を申請。日本の医療機関を受診し、海外の記録を渡す | 住民票、介護保険被保険者証、認定申請の受付 |
| 到着後2〜6週 | 認定調査に立ち会う。主治医意見書の進み具合を確認。必要なら暫定ケアプランで介護サービスを使う。施設の入居前面談 | 診療情報提供書、認定調査、入居前面談の結果 |
| 認定後 | 結果を確認し、施設と契約。特養やグループホームへの申込。介護費の精算方法を確認 | 要介護度の通知、入居決定、契約書類 |
入居先が決まらないとき
認定なしで入れる施設が見つからない、または満室で入居予約が取れないまま帰国日を迎えることもあります。
その場合に最初に浮かぶのはショートステイですが、介護保険のショートステイは認定を受けた人のサービスで、連続して使えるのは30日までです。帰国直後の認定前には使えません。保険のショートステイの使い方はショートステイの費用と使い方にまとめています。認定前は、自費のショートステイや体験入居、自費ヘルパーで数週間をつなぐことになります。認定前の数週間をどこで過ごすかの選択肢と手続きの順番は、帰国直後の介護のつなぎにまとめています。
つなぎの期間をできるだけ短くするのは、結局のところ出発前の準備です。最初に施設へ電話して「認定が出てから」と言われたあの場面に戻ると、その答えは「認定が出るまでは何もできない」という意味ではありませんでした。住む場所を決め、要約を送り、認定なしで入れる住まいを押さえ、到着した週に転入届と認定申請を済ませる。ここまでを海外にいるうちに組んでおけば、施設の返事は「見込み」から「決定」に変わっていきます。
本記事は一般的な情報で、個別の事情への助言ではありません。制度の取り扱いは自治体により異なりますので、転入先の市区町村の介護保険窓口と地域包括支援センターでご確認ください。
よくある質問
特養の入所申込は親が日本に着く前に出せますか?
一般的には出せません。特養は原則要介護3以上が対象で、申込には認定の結果が求められます。新宿区は、要介護認定を申請中の人には結果が出てから申し込むよう案内しています。転入届を出して要介護認定を申請し、結果が出てから申し込む流れになります。
海外の主治医が書いた診断書で要介護認定を受けられますか?
受けられません。要介護認定の主治医意見書は日本の医師が書き、主治医がいない場合は市区町村が指定する医師の診察を受けます。認定調査も日本の調査員が本人に会って行います。海外の診断書と日本語訳は、日本の医師が病歴を把握するための資料として役立ちます。
認定が出る前に入居できる施設の種類はどれですか?
住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホームのうち自立の方も受け入れる施設です。入居の可否は施設が判断します。認定前の介護費は自己負担が基本で、申請を済ませて暫定ケアプランを作れば保険の対象として扱える場合がありますが、施設ごとの扱いを契約前に書面で確認してください。
グループホームを第一候補にする場合、最初の住民登録はどこにすべきですか?
グループホームは地域密着型サービスで、原則としてその市区町村の住民だけが使えます。入りたいグループホームがある市区町村に最初の住民登録をしておくと、条件に合わないという事態を避けられます。別の市にいったん登録した場合の扱いは、転入先の介護保険窓口で確認してください。
到着した週に認定を申請した場合、施設と契約できるのは帰国から何週目ごろですか?
法律上は申請から原則30日以内ですが、厚生労働省の集計(令和5年度の申請分・1,559保険者)では、申請から二次判定までが保険者の中央値で39.3日かかっています。到着した週に転入届と申請を済ませても、結果は到着から6週前後と見込み、介護保険の施設との契約はそのあとになると考えておくと安全です。認定なしで入れる施設なら、入居予約をしておけば到着直後から住めます。
一次情報・公的情報
本文は下記の10件の一次情報・公的情報を確認して書いています。制度・費用・窓口の情報は自治体や時期で変わるため、最終判断の前に必ずリンク先の公式情報を確認してください。 最終確認日: 2026-10-04.
この記事について
この記事は一般的な説明で、医療・法律・介護の個別アドバイスではありません。Japan Care Conciergeは、1999年設立の社会福祉法人 伸こう福祉会の介護サービスで培った知見をもとに運営しています。同法人は神奈川県でクロスハートの名称で高齢者向け施設・サービスを展開しています。施設・事業者から紹介料は受け取らず、医療行為・診断・緊急対応・直接介護も行いません。介護保険の保険者は全国に1,559あり、認定にかかる日数も運用も保険者ごとに違うので、個別の可否はお住まいの市区町村の介護保険課か地域包括支援センターでご確認ください。公開日・更新日は実際の日付です。記事の作成・出典・修正の方針は編集方針をご覧ください。

